キッチンで野菜を切る手元の写真

治験との違い

どちらも「承認を得る」ために行う試験ですが、承認の枠組みや実施環境が大きく異なります。ここでは、その違いを分かりやすく整理します。

  • 食品臨床試験:機能性表示食品や特定保健用食品として申請するために必要な機能性と安全性に関する科学的根拠の取得を目的に実施します。
    日常生活に近い条件下で行われます。
  • 治験:薬機法に基づき、新薬候補を医薬品として申請するために有効性・安全性の確認や適切な投与量や投与方法の検討を目的に実施します。
    医療機関の厳格に管理された環境下で行われます。

対象の違い

食品臨床試験の対象は、ヨーグルトなどの食品や飲料、錠剤やカプセル剤のサプリメントなど、身近な食品・成分です。既に市場に出ているものや、一般的に利用されている成分も多く含まれます。

治験の対象は、新薬候補となる化合物です。まだ国内で承認されていないため未知の部分も多く、実施には医学的な管理体制が必須となります。

目的の違い

食品臨床試験は、食品表示制度(例:機能性表示食品)に必要な根拠を整えることが主な目的です。普段の生活に近い条件で摂取してもらい、体調や健康指標の変化を確認します。

治験は、薬機法に基づく承認申請に必要な有効性・安全性の確認が目的です。投薬管理や診察・検査を通じて安全に考慮しながら実施するため、入院が必要な場合があります。

実施環境の違い

食品臨床試験(日常に近い環境)

  • 在宅での食品・サプリメント摂取
  • Webや紙でのアンケート記録
  • 必要に応じた少数回の来場検査(身体測定・血液検査など)

生活リズムを大きく変えずに参加できるよう設計されることが多く、初めての方でも取り組みやすいのが特徴です。

治験(医療機関での厳格な管理環境)

  • 入院や定期通院が必要なケースあり
  • 投薬スケジュールや食事制限が課される場合もある
  • 医師・看護師など専門スタッフが常に管理

新薬の安全性を守るため、万が一の事態にも即時対応ができるように医療環境での管理が欠かせません。

社会的な役割の違い

  • 食品臨床試験:製品の品質向上や、科学的根拠に基づいた成分表示のために行われます。消費者が安心して食品を選べる基盤づくりに役立ちます。
  • 治験:新薬の承認に不可欠なステップであり、医学の進歩や治療の選択肢拡大に直結します。

主な違い(比較表)

項目 食品臨床試験 治験(医薬品)
対象 食品・サプリメント(身近な製品や成分) 新薬候補(未承認の医薬品)
目的 食品表示制度に必要な根拠(機能性・安全性)の確認 薬機法に基づく承認に必要な有効性・安全性の確認
環境 日常生活に近い条件での実施(在宅中心+少数来場) 医療機関での厳格な管理(入院・通院、投薬管理)
参加のしやすさ 生活リズムを大きく変えずに協力できる 医学的管理のため、参加の負担は大きい
社会的意義 身近な商品の信頼性や品質向上につながる 新薬開発・医療の発展に直結する

まとめ

食品臨床試験は、普段の生活に近い環境で行われるため、初めての方でも参加しやすいように設計されています。参加者に専門的な知識は必要ありません。ご案内に沿って進めていただくので在宅での対応も安心です。疑問や不安があれば、スタッフが丁寧に説明します。

治験は医療環境での厳格な管理が必要ですが、新しい薬の開発や医療の進歩に直接つながる重要な研究です。両者の違いを理解して、自分に合った参加スタイルを考えてみましょう。

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